雪で足留めイルクーツク

【ズナメンスキー修道院裏の児童公園にある修道院風遊具】

 ペトロフスク・ザバイカルスキーで、宿を探しているうちに iphone を持ち逃げされ、投稿できる環境が無かったため、更新できなかった。

 出発地点から4,000kmほどのイルクーツクで立ち往生している。この先1,000kmにわたって初雪が降り続いているためだ。出発が一週間早かったら、最悪のタイミングは避けられていたかもしれない。

 シベリア鉄道で手荷物として一緒に送ることが出来るバイクは165kgまでだということが判明した。スコボロディーノで、駅長に断られたのも、現物を実際に見て165kgに収まらない事がわかったからだ。

 昨日、やっとバイクを4,000km先のウラル山脈を越えたサマラまで列車で送る手続きができた。荷物を含む総重量が350kgで、運送業者でなければ列車に乗せられないため「イルクーツク日本情報センター」のセルゲイ所長の助けを借り、業者に頼んで梱包してもらった。創価大学から当地に留学して来ている好青年タツヤにも大変お世話になった。

 イルクーツク周辺で相談事があったら、日本情報センターでアドバイスをもらうと良い。受付の女性も日本語が話せる。カールマルクス通りからちょっと入った中心部にあり、何よりも日本語で相談できるのが心強い。

 問題は貨物到着までに2週間もかかるということだ。比較的暖かいところも、そろそろ冬に入る。なんとかロシアを抜け出し、ウクライナとポーランドを横断して、ホーフにいる友人のところに向かう前に、各地で初雪が降り出さないことを祈る。

【イルクーツク日本情報センター】スヘ・バートル通り16番地 Tel:+7-3952-202306 Tel/Fax:+7-3953-200950 N 52 17.010 E 104 17.124

【Biker's Cafe in Irkutsk、クラブハウス地階に工場、1階にカフェ、2階にプールバーとゲストルームがある】Perwomajskaja St.27, +7-9025-13-9999 N52 18.127 E104 18.445




【右から、メカニックのBandit、カウンターのillina、チーフのPeter】

【奥から英語の通訳をしてくれたAlex、そしてPeterとFarnic】

【クラブハウスの前でホンダに乗るPeter】


【クラブハウス2階プールバー奥に宿泊可能なゲストルームがある(有料)】

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5日間で4,000キロ

 10月5日昼ロシア上陸後、陸揚げ業者の書類作成に必要な通関業務による待機に3日間、通関書類の作成に半日(共にウラジヴォストク)かかった。

 10月9日昼に出発し、ビロビジャンのダート通過(10日昼)によって破損したキャリアを修理するのに要した2日(ブラゴヴェシェンスク)、車両搭載拒否で浪費した丸1日(スコボロディーノ)、積雪による待機をした2日半(ペトルフスク・ザバイカルスキイ)を除けば、イルクーツク直前40キロの、バイカル湖沿岸を過ぎたキュルトュク峠(19日夕方)までの稼働走行日数は丸5日で、走行距離はダートを含め3,956kmだった。

 オランダのライダーが、二週間でロシアを走破したというのは、このペースを保つことができれば可能な話だ。勿論、観光等はせずに、ひたすら走り続けるペースになる。

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チタ完走前・330kmガソリンスタンド無し


【ガソリンを分けてくれた、通りすがりのロシア人一家】


【330kmぶりに給油できたガソリンスタンド】

 スコボロディーノからチタまでの区間は、迂回路はほとんどなくなり、大きなカーブはあるものの、ほぼまっすぐの高速道が出来上がって来ている。ガードレールも中央線も引かれていない、舗装したての湯気が出ているところを走るのは、バージンロードを走っているようで最高の気分だ。作業員たちも、季節外れに疾走するバイクに向けて、白い息を吐きながら親指を立てて、エールを送ってくれた。バイバスの一部は、最新の地図にも載っていない。

 完成したてのところは、天候と車の性能さえゆるされれば、ごく自然に全く無理せずに200km/h出てしまう。問題は、ところどころ舗装中だったり、舗装が切れていたりする事だ。切れ目は10cmだったり、20kmだったりする。危ないのは、見落としがちな小さな段差で、cm単位でも、100km/h以上出していると、重みのかかっているキャリアには命取りだ。

 テクニックが必要なのは、ローラーをかける前の大きな敷石が浮いている状態の現場だ。数百メートル級のものに何回か出くわしたが、二輪はスピードを落とすとかえってバランスが悪くなるので、遠くをみながら、ある程度をスピードを出して、なんとか乗り切ることができた。

 出来たてのバイパスなので、まだガソリンスタンドが出来ていない区間があるのが一番の問題だ。「ガソリンスタンドは100kmごとにあるので問題ない、ただし300kmの無給油区間があるから、気をつけろ」というアドバイスを、向こう側からやって来たノルウェー人のサイドカー付バイクに乗った Klaus から貰っていた。しかしその最後の部分が燃費が最高に悪い悪路であることは聞いていなかった。彼らは逆ルートをやってきているのだから無理もない。

 ガソリンスタンドまであと数十キロということで、ガス欠寸前のところを、通りがかりのロシア人に助けてもらった。ディーゼル車が大半で、ガソリン車に止まってもらうのにかなり時間がかかった。お互いに助け合うしか無い環境で暮らしているせいか、シベリア人は、困っている人に対しては、本当に親切である。

【付記:ちなみにスコボロディーノの手前とチタの手前にも、さらに200kmほどガソリンスタンドが無い区間がある。とりあえずチタを抜けるまで、ガソリンスタンドがあったら、なるべく休息と点検を兼ねて満タンにする習慣を付けておけば、ガス欠で困ることはない。もちろん予備タンク装備の上での話だ。】

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極楽から地獄へ

【シベリア鉄道の切符を手に入れ、バイクの計測を待っているうちに、子どもから大人まで好奇心旺盛なロシア人たちがバイクのまわりに次から次へとやってきていた】




 3等寝台の切符も首尾よく手に入れ、全てうまくいっていたはずだったのに、いつまでたっても荷物を計りに来ない。列車の時間までかなりあるので、そういうものなのだろうと思っていたが、余りに遅いので、念のため確かめに行った。するとわざわざ駅長が出て来て、バイクは送れないと今更になって言い出した。

 結局、朝一番から午後4時過ぎまで足留めを食ったのと同じことになった。しかも町から抜け出す道が最悪のダート(シベリア鉄道の線路に沿った旧シベリア横断道路)で、高架になっているパイパスの周りをぐねぐねと遠回りして数十キロ進むのに2時間以上もかかり、やっと横断道路に出るところに辿り着いた時には暗くなって来ていた。

 この日はガソリンスタンド手前の横断道路に出る直前のところにあるカフェに頼み、店先でキャンプを張らせてもらった。シベリア鉄道最北地点付近で初めての野営だった。

 氷点下のため、寒さで夜中に目が覚めた。トイレに出るにも命がけだ。イヌイットが用を足すために、テントの中に大きな空き缶を用意しているという話をこの時になって思い出したが、前もってそれが出来ていたらどんなに楽だったろうか。

【付記1: 後日規則で165kg以上のものは手荷物として送れないことが判明した】

【付記2: 夜中に日本人の二人組が車でカフェにやって来て、シートをかけられた二輪とテントを見ながら雑談していた。シートで仙台ナンバーは見えなかったようだ。テントを出て声をかけようかと思ったが、余りに寒くて、声をだすことさえも出来なかった。後から新聞で、同じ頃に戸井十月がバイクで逆のルートをチタあたりまでやって来ているのを知った。いまから考えると、話していた内容からして、おそらくマスコミ関係者だったのではないかと思われる。】

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シベリア鉄道最北地点

 本日の走行距離700km

 シベリア横断道路舗装工事最先端地スコボロディーノで携帯基地拡張中の技師に偶然出会う。本来は民間人は泊まれない駅二階の宿泊施設に泊めてもらう。当地には宿は一切無い。危うく氷点下で初キャンプをせざるをえないところだった。

修理完了

【ブラゴヴェシェンスクのバイカーズカフェ、ガレージ前にて】

 昼過キャリア溶接終了。午後微調整と再溶接で4時半修理完了。ブラゴヴェシェンスクのバイカーズクラブ、とりわけイヴァン(中央)、サーシャ(左から2番目)、ボロージャ(一番右)には、ここで改めて心からお礼を申し上げたい。

ブラゴヴェシェンスクのバイカーズカフェ

【夕日に染まるアムール川。中国との国境の町ブラゴヴェシェンスク。】

 ビロビジャンの走行で破損したキャリアを見せたら、宿泊していたビュレアのカフェオーナー、サーシャが、電話で200キロ程離れた都市ブラゴヴェシェンスクのバイカーたちに電話をかけ、地図まで書いてくれた。

 バイカーズカフェでは、専門家が次々に集まって来て、取り敢えず明日中に走り出せるようにしてくれることになった。

 泊まるところがあるのか尋ねられたので、無いと言うと、カフェは24時間開いているので、自由に使って良いと言われる。ガレージの前に小さなマガジン(購買店)があり、そこで飲み物や即席麺やお湯を出してくれるので、二三日暮らすのには全く不自由がない。

 プレジデントのイヴァンが忙しい中、インターネットカフェを探してくれるが、調整中だったり、WIFIがマックに対応していなかったりで、せっかく時間を割いてくれたのに申し訳なかった。