チタ完走前・330kmガソリンスタンド無し


【ガソリンを分けてくれた、通りすがりのロシア人一家】


【330kmぶりに給油できたガソリンスタンド】

 スコボロディーノからチタまでの区間は、迂回路はほとんどなくなり、大きなカーブはあるものの、ほぼまっすぐの高速道が出来上がって来ている。ガードレールも中央線も引かれていない、舗装したての湯気が出ているところを走るのは、バージンロードを走っているようで最高の気分だ。作業員たちも、季節外れに疾走するバイクに向けて、白い息を吐きながら親指を立てて、エールを送ってくれた。バイバスの一部は、最新の地図にも載っていない。

 完成したてのところは、天候と車の性能さえゆるされれば、ごく自然に全く無理せずに200km/h出てしまう。問題は、ところどころ舗装中だったり、舗装が切れていたりする事だ。切れ目は10cmだったり、20kmだったりする。危ないのは、見落としがちな小さな段差で、cm単位でも、100km/h以上出していると、重みのかかっているキャリアには命取りだ。

 テクニックが必要なのは、ローラーをかける前の大きな敷石が浮いている状態の現場だ。数百メートル級のものに何回か出くわしたが、二輪はスピードを落とすとかえってバランスが悪くなるので、遠くをみながら、ある程度をスピードを出して、なんとか乗り切ることができた。

 出来たてのバイパスなので、まだガソリンスタンドが出来ていない区間があるのが一番の問題だ。「ガソリンスタンドは100kmごとにあるので問題ない、ただし300kmの無給油区間があるから、気をつけろ」というアドバイスを、向こう側からやって来たノルウェー人のサイドカー付バイクに乗った Klaus から貰っていた。しかしその最後の部分が燃費が最高に悪い悪路であることは聞いていなかった。彼らは逆ルートをやってきているのだから無理もない。

 ガソリンスタンドまであと数十キロということで、ガス欠寸前のところを、通りがかりのロシア人に助けてもらった。ディーゼル車が大半で、ガソリン車に止まってもらうのにかなり時間がかかった。お互いに助け合うしか無い環境で暮らしているせいか、シベリア人は、困っている人に対しては、本当に親切である。

【付記:ちなみにスコボロディーノの手前とチタの手前にも、さらに200kmほどガソリンスタンドが無い区間がある。とりあえずチタを抜けるまで、ガソリンスタンドがあったら、なるべく休息と点検を兼ねて満タンにする習慣を付けておけば、ガス欠で困ることはない。もちろん予備タンク装備の上での話だ。】

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